政府は3月29日の閣議において、人材を確保することが困難な産業で外国人労働者を受け入れることができる特定技能制度の産業分野として、既存の12分野に自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加し16分野とすることを決定しました。
特定技能制度は、人材確保が困難な14分野を対象に、2019年度から開始。2022年度には製造業の3分野を統合し、12分野に再編しました。閣議では対象分野などを定めた基本方針と、各分野での受入れ見込み数や外国人に求める能力水準などを示した分野別運用方針の改定を決定。新たな対象分野に4分野を追加しました。既存の12分野のうち、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業は、工業製品製造業に名称を変更したうえで、新たな業務区分として、紙器・段ボール箱製造、縫製、印刷・製本など7区分を追加しています。
自動車運送業は、トラック、バス、タクシーを合わせて今後5年間で28万8,000人の人手が不足すると推計。そのうえで、2024年度から5年間の受入れ上限を2万4,500人に設定しました。同分野での受入れは、日本海事協会が実施する「運転者職場環境良好度認証制度」の認証企業と、全日本トラック協会が認定する安全性優良事業所(Gマーク事業所)に限定。さらに、バスとタクシーの事業者は、受入れ予定の外国人に対して新任運転者研修を実施しなければなりません。
受入れ外国人の日本語能力水準として、トラックでは、日本語能力試験N4(基本的な日本語を理解できるレベル)以上、バスとタクシーはN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)以上と認定。
これによりビルクリーニングを除く11分野における5年間の受入れ数は対象分野全体で82万人が上限となります。