ー自己都合離職者の給付制限期間を1ヵ月に短縮
厚生労働省は1月10日、労政審の職業安定分科会雇用保険部会の報告を公表しました。雇用保険制度の適用拡大については、雇用のセーフティネットを拡げる観点から、現在、週の所定労働時間が20時間以上の雇用労働者を適用対象としているところ、10時間以上20時間未満の労働者にも適用することとし、事業主の準備期間等を勘案して、2028年(令和10)年度中に施行することとしています。
新たに適用拡大により被保険者となる人は、現行の被保険者と同様に、失業等給付(基本手当等、教育訓練給付等)、育児休業給付、雇用保険二事業の対象とすることとし、給付水準も同じ考え方に基づき設定します。
また、自己都合離職者の給付制度期間(給付開始までの待期期間)については、2020年10月からその期間を3ヵ月から2ヵ月に短縮しています。
今回、転職を試みる労働者が安心して再就職活動を行えるようにするため、現行の2ヵ月を2025年度からさらに1ヵ月に短縮することになりました。その際、給付を目的とした早期退職行動を誘発しないよう、現行5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合離職の場合には、給付制限期間を3ヵ月とする取り扱いは維持されます。
そのほか、労働者の主体的な能力開発を支援するため、雇用保険制度に教育訓練給付金が設けられていますが、自ら教育訓練に取り組む労働者への支援を強化するため、2024年度中に教育訓練給付金の対象訓練の内容に応じて拡充するとしています。
具体的には「専門実践教育訓練給付金」については、受講前後を比べ賃金が一定(5%)以上上昇した場合には、受講費用の10%(年間上限8万円)を追加することとします。このため、「教育訓練給付金」の給付率を最大で受講費用の80%に引き上げることにしています。